洞川温泉をめぐる陀羅尼助キャンプ(その1)
昨年から計画していたトレッキングキャンプ。
がっつり登山しつつ、全ての荷物を背負いつつ、
キャンプも楽しむ観光旅。
「みたらい渓谷」
関西では有名な豪快渓谷。
特に秋の紅葉時期は圧倒的な渓谷美。
ここをはじめて訪れたのは確か27年前の秋。
当時、大学を卒業して就職するも、
わずか一年での退職を決意。
翌年から日本縦断の旅に出ることを決意していた頃。
あの頃、今後長く続く冒険旅行を考えて
リュック背負ってテント泊で山を越える鍛錬を!と
あちこち歩いていたものでして。
当時の国道はろくにトンネルもなく
果てしなく遠かった天川村。
電車とバスを乗り継いで、当時は数時間かかったっけ。
そこを今では快適になった国道を車走らせ、
自宅からわずか1時間半で到着。
みたらい渓谷の無料駐車場に、
まだ明けきらない早朝6時に到着。一番乗り。
今回は「みたらい渓谷」には行かず、
ここから山に登って「縦走」と呼ばれる、
尾根を伝って山頂から山頂へと伝い歩く登山。
なにぶん、長らく登山からは離れていて
キャンプ道具や食料一式を背負っての登山は
ブランク長く、全く自信が無いのです。
食料は三食分、水1.5リットル。
キャンプ地は、まだ自信が無いので
麓に降りてキャンプ場利用の予定。
だからビールなどは現地調達。
さて「観音峰」に向けて登山開始。
クマが出るそうだけど、このあと
クマはホントに出没しました。
(僕は目撃してないけど)
秋の3連休といえど、不人気山なせいか
登山者も数人しか見かけない。
聞けば今年は紅葉はイマイチ。
秋の台風で、稜線の広葉樹の葉は
みんな吹っ飛ばされて、紅葉どころではないそうだ。
オスプレーの38リットルのリュック
植林帯を抜け、広葉樹の林。
とにかく体力を消耗しないよう
ゆっくり登り、
最低限の目標だった展望台に到着。
ここはススキの原っぱで展望最高。
意外とラクじゃん!
これなら問題ないね!とタカをくくったあと、
一気に傾斜は急になり、苦しくなる。
しかも僕を追い越したベテラン登山者が
血相変えて引き返してきた。
この先でクマが居た!とのこと。
大峰山系や隣の大台山系は今もクマ多いのだ。
引き返そうか、一瞬迷うも
今更、行くも戻るも距離は変わらない。
なので続行することに。
シェラカップを手に持ち、木の幹を叩いて鳴らしながらクマ除けしました
標高1380mほどの山頂付近、
ブナの林で昼食。
キャンプマットを敷いて寝転ぶ。
は~、つかれたー!
見上げる青い空と色づき始めた広葉樹。
コケと落ち葉でフカフカの地面が気持ちいい。
秋の陽だまりがあまりに気持ちよく、
ここでしばらくうたた寝。
せっかくの頂上なのに、その後も
50m降りて50m登っての繰り返しで、
累計高低差は約800m余り。
荷物を減らしてるとはいえ、
キャンプ道具一式背負ったメタボオヤジには
なかなかの苦行。
法力峠。
見覚えのある景色。
若い頃、ここを通って「稲村ヶ岳」に
テント担いで登ったっけ。
もう22年前の話。当時28歳。
とんがったピークの右横の最高点が稲村ヶ岳
当時冒険生活をやめ、就職したら
週末しかアウトドアが出来ず、
でも体力は有り余ってたので
登山をやるようになった頃でしたね~。
ここは大峰の修験者の道でもあり、
修行の山でもあるので、
ちょくちょく白装束姿の山伏を見かける山域。
意外に思われるかもしれないけど、
山に登るのは、登りよりも下りのほうが
体力を奪うのですよ。
(若者はそうでもないけど)
若い頃は膝も足首も柔軟で、
下りの重力加速度を受け止められたものだけど、
今や体重が激増した上に、
関節の軟骨が弱ってきてる年頃。
近年は毎回、この下りで疲労がピークなのだ。
そういうこともあって
緊張しながらの山行だったせいか、
じつは下山中にお腹が痛くなってきて。
若い頃、冒険的なことをやってた僕ですが、
初期の頃はたびたび緊張からの下痢に見舞われてまして。
今回ひさびさにの緊張山行だったせいか、
下山するなりトイレに直行!!
母公堂
下山したのが、この母公堂の横。
大峰は今でも「女人禁制」の山。
これについてたびたび女性差別だ、
との論争が絶えないけど、
もともとは1300年以上の昔、
この地で修行した役行者(えんのぎょうじゃ)。
その母が息子を案じるあまり、
息子を追いかけて魑魅魍魎の山に入山しようとするのを、
危険だからと阻止して留まらせたのが
この場所だったとか。
母が安全に留まれる庵をつくり、
それを「母公堂」と名づけたのが此処。
それが由来でこの山は女人禁制になったとか。
そんな由緒と曰くある場所で
トイレに駆け込むオッサン。
ここらは近年は仕事で時々来てるけど、
初めて来たの27年前。
このあたりの川原で適当にテント張って
翌日は山を越えて隣の川上村に下山したのだけど、
当時の川原キャンプの夕方、
謎の白い人影を見たっけ。
薄く白い人影がゆっくり移動していて
二度見したら人影は消えていたので
あれが何だったのかは不明。
今回は通らないけど
その川原は仕事では何度か通りました。
でも何度行っても不穏な雰囲気は感じないので
まあ、気のせいなのだろう。
お腹壊したっぽいので
大峰名物の胃腸薬、
陀羅尼助丸(だらにすけがん)を購入。
これを服用しとけば大丈夫、かな?
正露丸みたいなもので、
関西では割と有名なんだけど
全国的に知られてるのだろうか・・・?
下山したのはが午後1時前。
約6時間半の登山でした。
疲労激しく、足の筋肉痛ひどく、
とにかく早くキャンプ場で休もう。
とはいえここからも更に舗装路や遊歩道を40分歩いて。
ここ洞川地区にはいくつかキャンプ場があるけど
徒歩キャンパーは安価料金設定で嬉しい某キャンプ場。
オートサイトもあるけど、
僕は林間の渓流沿いにテント設営。
(つづきます)
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