月と焚火とホットウィスキー

八兵衛

2023年12月07日 00:05





とある晩秋の週末。


翌朝はかなり冷えるらしい。
オッサンは体を冷やすと神経痛が発症しやすいので
寒波のキャンプは中止にして
自宅で大人しくしていたものの、
しかしやはりどうしても焚火に飢えている。

だから結局夕方には来てしまった、
昨年から何度も探訪している近場の川原。
今年の大雨で川原がすっかり変わってしまい、
荒れ果てた荒野のような殺風景。

殺風景な場所だけど「荒野」と表現すれば
荒れた雰囲気もそれはそれで悪くないね。










着火。


今や僕の体は冷やすと神経痛を発症しやすいので、
近年は冬キャンするならオートキャンプで、且つ
冷え防止に万全の準備を整えないと不安になってしまっている。
寒さなんて耐えればいいんだ、と
若い頃は平気で耐えられたのにね。

すっかり年老いたんだな。











月を見ながら乾杯。

上流から運ばれた大きな石が
そこらじゅうに乱雑に転がる川原。
老化現象のオッサンがそんな荒れた川原でひとり焚火。
まあ、それも悪くないなと、ひとり飲む。







最近の僕は誰かと出会う「旅」が好きらしい。
だけど、やはり一人っきりていうのも好きなんだろうね。
こんなふうな、ひとりっきりの野営って何気に久々でね、
空に浮かぶ月にシェラカップをかかげて
月と杯を交わすかのような
ちょっと寂しいような、でも寂しくないような。

今夜は誰にも会わず、
無頼な気分でウィスキーを飲む。
湯を沸かし、ホットウィスキーで暖まる。








一人になりたいくせに一人は寂しい。
だけど本当は少し寂しいくらいがきっとちょうどいい。
だから月が寄り添ってくれる今夜は、
孤独だけど孤独じゃない、
そんな感じが心地いい。



月が僕を見てるような。
いや、僕が月を見てるのか。
若い頃から月夜のキャンプや月夜の深夜登山が好きで、
なぜか月夜キャンプは寂しいとか怖いとかをあまり感じない。







深夜を過ぎたころ、
酒も抜けた頃合いで撤収・帰宅。
テントも張らず、車内で仮眠しただけの
そんなキャンプ未満なキャンプの話でした。




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