笠置キャンプ場から木津川パックラフト!

八兵衛

2022年09月07日 22:07








始発電車


関西キャンパーの聖地(?)笠置キャンプ場。
かつては僕も利用しまくったものでしたが、
一時期あまりに世紀末化著しく、
足が遠のいてからすでに4年近く経過。
コロナで更に利用者は増えたそうですが、
最近はどんな感じでしょうか。


各駅停車の車内から笠置キャンプ場を見る


今回、3年9ヶ月ぶりに笠置キャンプ場に降り立つ。
始発で来たので早朝5時37分JR笠置駅到着。
朝もやの笠置の町を歩いてJRのガード下をくぐり、
懐かしいキャンプ場内に入る。

日曜の朝、場内はテントでぎっしり。
でも早朝5時45分だから静かです。
まだ寝てるであろうキャンパーを起こさないよう
テントとテントの間を静かに歩いて川岸へ!


山の辺の道・柳生街道と進んで今回は木津川


今日はパックラフトで笠置キャンプ場から木津川を下って行きます!
今年の1月と2月に奈良県の山の辺の道と柳生街道を歩きまして、
柳生街道を歩いたときのゴールがこの笠置の町でした。
で、その続き?という訳でもないけど
何となく奈良盆地の周りを周回する感じでコマ切れ人力移動を続けてまして
今回はその続き的な?感じで、
笠置からの人力ルート継続ってことで今回は木津川を行きます!

この木津川、普段は水量が少なくて川には砂が多く堆積していて浅いため、
通常の水量だとフネが座礁して川下りにはあまり向かないらしい。
でも沿線には鉄道が通っていて非常に交通の便が良いので
降雨の後、水位が少し上がったタイミングなら
快適な川下りを楽しめるのでは、とずっと狙っていたら
いつまで経ってもなかなかタイミングが合わず、
ネットでリアルタイム水位をガン見し続けてやっと好機到来!
ってわけです。(当日朝、加茂観測所で-2.08m)

そしたら予想以上に増水していて川の水は茶色!
泥濁りというほどではなく、
多少は透明感の残る茶色ではあるけど、
川下りをするなら茶色よりは緑系の色がええねんけどな~
まあ茶色は仕方ないとして、想像以上に荒ぶる木津川!

もともと笠置キャンプ場前の木津川は流れが速く、
また南側から支流の打滝川が合流して、
普段から多少は流れが複雑ではあるけど、
この日は川幅いっぱいに濁った波立つ流れになっており
久々の乗船で、いきなりの早瀬。






6時20分、スタート!
おっかなびっくり、流心に漕ぎ寄せると
岸辺で想像してたほどの急流ではなく、
また操舵の困難な複雑な流れでも無く
難易度は1級にも満たない程度の流れでした。

キャンプ場の岸辺は夏草もっさりボーボーで、
あんなにたくさんテントが設営されてたはずなのに
水面からはテントがほとんど見えなかった。

と、キャンプ場方面をよそ見してたら大波をかぶってしまい、
いきなり全身びっしょり・・・(--;


いきなり大波の洗礼(ーー;

流れが速く、あっという間にキャンプ場が後ろへ遠ざかる。
しばらく行くと流れは速いものの、波はおさまり
ようやく静かに川下りを楽しみ、周りの景色を見る余裕が出てきた。



この辺りは両岸が迫って渓谷っぽく、いい感じ。
朝もやの谷間。
パドルから手を離し、流れに身を任せる。

右岸に一人の釣り師。
増水の岸辺に仕掛けを振り込んでいる。
鮎釣りではなさそう。
川が濁った増水時、魚は岸辺の草の中や淀みに避難してることが多く、
まさかの場所で大きな鯉やナマズが釣れることがある。








速度は時速8kmぐらい?相当に速い流れ。
間もなく笠置町が終わり、和束町木屋(こや)地区。

学生時代、この木屋地区に通いまくってました。
卒論のテーマが「土石流発生条件の傾向」といったもので、
昭和61年の京都南部の土石流災害を対象にして、
山の斜面が崩壊した地点、数十ヶ所の地質や斜面の角度、植生といった条件を
調べまくってました。
笠置町全域と、和束町木屋地区が調査対象でしたが
特にこの木屋地区は被害が大きく、
住民のおじさんおばさんに当時の状況を教えてもらったり、
たびたび集落に入って、たくさん発生した斜面崩壊地まで山の中を登って
写真を撮ったり何やら調べたりして通い詰めたものでした。
論文レベルにも全く達してない、学生の「論文ごっこ」ではありましたが、
学生時代の終盤はこの卒論に熱中したものでした。

あれから約30年。
ここも植生がもっさりボーボーで、
水面からは懐かしい木屋地区の全容は全く見えず、
わずかに2~3戸の家屋がチラッと見えるのみ。










山八キャンプ場。普段はもっと広い川原なんですが・・・


背中から太陽が登ってきて
山八キャンプ場前を通過。
ときどき簡単な早瀬があるのが楽しい。
早瀬区間が終わるとフネに寝そべって空を眺める。
いいなこれ。
寝そべってても、それなりの速さで進むので
僕個人はフネの上で堕落してるだけなのに
遅い時でも時速4km程度で進んでるため、
なんとなく「やってる感」を感じられるのがいいな。






8時20分。
予想よりもかなり早く木津地区の泉大橋を通過。
ここまでスタート地点から2時間で約12km。
この辺りから一気に川幅が広がり、日陰が無くなって暑い。

川下りは水量や流速に左右されるので
一日でどこまで下れるかは、やってみないと分からない。
もちろん同じ川を何度か経験すれば
水位によって大体の通過時刻は想定できるけど
今回みたいに初めてだと色々と予定が立てにくいです。

流れが予想以上に速いから爽快感があるけど、
水の色は茶色だし、平野部に入ったことで川幅が広がって景色が単調になり
なにより日陰が無くなって一気に灼熱になった。
川原に上陸して休憩したいけど
増水によって川原の多くが水没し、
上陸地点が見当たらない。







木津地区を過ぎると木津川は流路が西向きから北向きに変わる。
灼熱と言っても空や雲の雰囲気は秋を感じさせるし、
蒸し暑さはなくてカラッとしていて過ごしやすい。
だけど直射日光がジリジリと焼け付く感じでキツい!
多めに持ってきたお茶をたくさん飲むも、
このままだと熱中症になりそうだ。
とにかく広い川に全く日影が無いのがキツい。
流速的にもっと下流まで下れるけど
熱中症のリスクを考えて、まだ余裕のあるうちにやめとこう。
9時40分、玉水橋下流で上陸。今日はここまで!
岸辺の取水施設のところに堤防へ上がる階段があったので、そこに接岸。
笠置から約21kmを3時間20分で下ったから
想定よりものすごく早い。


開橋


上陸した取水施設


玉水橋と上流方向を見る


太陽光に晒せばフネはあっという間に乾き、
小さく畳んでから土手に上がる。
木津川を挟んで西側には近鉄京都線とJR片町線(学研都市線)が走っており、
東側にはJR奈良線が走っている。
どの路線でも構わないし、最寄り駅までの距離も同じぐらい。
それならまだ乗ったことのないJR片町線に乗ってみよう、
ってことでJR三山木(みやまき)駅に向かうことにする。
駅までの距離約1.5km。








堤防の道には赤トンボが飛んでいて、
さっきまであんなに灼熱だったのに、
風が吹くとやっぱり秋を感じる。

子供の頃みたいに、草の先端に止まったトンボに
じわりと接近しつつ人差し指をぐるぐる回す。
(こうするとトンボが目を回す、というのはホント?)
息を止めて接近するも、あえなくトンボは飛び立っていく。
子供の頃の記憶だと、
逃げていくセミやトンボの姿を見送ってたのに
大人になってから思いだすとトンボやセミよりも、
その向こう側に広がってた青い空と入道雲の印象なんだよね。









堤防の道はサイクリングロードに設定されていて
ガチ勢からママチャリ、折り畳み自転車まで、
ひっきりなしに自転車が通る。
駅までの道沿いの田んぼでは、
もう稲穂の頭が垂れ始めている。
あんなにクソ暑かった今年の夏も
ちゃんと終わりに向かってるのが不思議。

JR三山木駅から電車で帰宅。

この奈良盆地の外周人力移動?の続きはいつになるかわからないけど
次回はここJR三山木から継続です。
京阪奈丘陵と呼ばれる里山地区を徒歩か自転車で散歩、かな?
それともパックラフトで木津川をさらに下っていくのもアリだな!




あなたにおススメの記事
関連記事