ヒミツのダム湖畔でソロキャンプ(その2)
前回からのつづきです。
ここはダム湖の細長い入り江の最奥の湖畔。
小さな渓流が流れ込む川原でもあります。
ダムや対岸の道路からも見えない
「ヒミツの湖畔」なのです(^^
すぐ後ろにも林道は通ってるものの、
高低差があるので林道からもほぼ見えない。
ムフフの湖畔川原なのですよ♪
天気予報では午後から夕方まで降雨のはずだったのに
結局降らず・・・
上空を見上げるも雨の降りそうな空ではなく、
雲の動きは早いけど、しばらくは大丈夫かな?
まあいいや。
焚火に着火。飯盒でメシを炊きます。
直火であります。
今どきの時代ですから、
僕も焚火台を使うことが多いのですが
ここのような、次の台風で水没して
流されてしまうような土砂川原では
直火焚火をすることが多いのです。
極力小さいカマドで灰はゴミとして持ち帰り
一応、焚火の痕跡は少なくしてますが。
そうそう、目の前のダム湖に大きな魚影がありまして、
鯉か、もしくはバス?
なのでこんな仕掛けにミミズを付けて
リール竿でちょい投げ。
あわよくば食材ゲットの皮算用でしたが、
エサだけ取られて何も釣れず(泣)
本当なら今日は昼間に釣りをして
夕食のおかずにはアマゴの塩焼き、
もしくはホイル蒸し、とかなんとか、
これも皮算用してたのに結局今日は魚ゲットできず、
飯盒で炊き上がったメシのお供はコレ!
サバ缶
キャンプ用リュックに、
非常食として入れっぱなしにしてた缶詰。
数ヶ月経過してるのでリュック内で揉まれて
一部ヘコんでましたがな。
これに鰹節をふりかけてワシワシと食います!
(鰹節をふりかけたら「サバ飯」感が分かりづらくなった・・・)
サバ缶、久しぶりだけど美味いね!(^^)
あとは合鴨肉を焼きます。298円。
安いし、日持ちするんで重宝してます。
※※※
鴨肉食ったところで腹も落ち着き、
お楽しみの、ちびちびタイム。
さて、前回少し書きましたが、
この夜は妙に落ち着かない。
昼間はそれほど気にしてなかったのだけど、
日没頃から、妙に周りが気になるといいますか。
「イヤな予感」というほどではないけど、
でもなにかがザワつく感じ。
最近は減りましたが、
僕は渓流釣りをしていると、
誰も居ないのに誰かの呼ぶ声が聞こえたり、
道路もないのに、車?の音が聞こえたり、
といった、今ふうにいうところの(?)
「ザワつく感じ」というものが若いころから
たびたびありました。
で、そういうことを踏まえて、
「イヤな予感」というのは
過去の経験を元に脳ミソが発する危険信号だ、と
以前
「アウトドアでのイヤな予感を考える」
といった記事を投稿しまして、
そこで色々理屈っぽいこと書いたのですが、
この日のなんとも落ち着かない感じの原因を
酒など飲みながら考えてみました。
場合によっては、撤収して
車に避難することも考えたりね。
(昨年も夜中に撤収しました(^^;
また逆に、理由に納得できれば
落ち着いてキャンプを続行できるからね。
・・・そうはいっても、
これといって特に理由も思いつかないけど、
強いて言うなら唯一の心当たりは、
ここの
「地形」です。
ダム湖に切れ込んだ細長い入り江のドン詰まり。
絶壁のような急斜面に取り囲まれたこの川原。
それと、200mほど離れてるけど
渓流奥に落ちる迫力の名無し滝の轟音も
遠く低くずっと聞こえてる。
この行き止まりのような地形と高い崖。
無意識で「逃げ場がない」とか「圧迫感」
といった感覚になってるのだろうか。
それと僅かながらずっと聞こえてる滝の轟音。
こういう「行き止まり地形」というと
「滝」周辺の地形が似てるのです。
大きな滝というのはたいてい絶壁に取り囲まれた
「行き止まり地形」で、
滝の轟音と共に、絶壁の恐怖感とか圧迫感ひどく、
僕は若いころから大滝が苦手でした。
これは「展望台から見る滝」のことではなく、
釣り・沢登り目線で見る時の「滝」の怖さです。
逃げ場のない場所で、
絶壁と轟音と落石の中に飛び込むのは、
単独行だと僕にはかなり怖いものでして。
魅力的で惹き込まれるんだけど、
同時に逃げ出したい衝動でもある。
今まで何度か竿も出さずに滝から逃げ帰ってて、
きっと大滝は僕の心理的な弱点なんでしょう。
(渓流が好きなのに滝が苦手という謎矛盾)
長らく理由もわからず大滝が怖かったけど、
30代前半頃、この理屈に思い至って以来、
怖がる必要はない、
と、ようやく落ち着いたものでした。
というわけで、この日の僕の謎不安は
きっとここ特有の地形と滝音が僕の心に作用したのだろう、
だったら怖がることはない、
キャンプ続行だ!と思うことにしました。
(これが正しいのかは全く不明ですけどね~)
あと、小動物なのか枯葉や小枝の落ちる音なのか、
あちこちから度々小さな音のような気配のような。
普段ならそんなに気にしない程度のことが
やたら気になったりね。
小さな落石音も数回聞こえてたので、
これもいちいち気になって、
余計に音や気配に耳をそばだてる結果に。
まあ、このへん熊は多いからね、
ギターで歌を歌って熊除けやっときましょう!
さーて!
ワシのジャイアンボイスを聞くがよいわっ!
ホゲ~ェェ ボエ~~~ェ
(ネットより拝借)
ふぅ。
これで熊も逃げたことでしょう(^^)
そのあとはテキトーにビートルズをやったり
日本の童謡をやったり、虫の声を聴いたり。
(これ、回顧録記事でのカナダ旅で使ってたギターなのです♪)
夜10時頃に就寝。
どうも寝つき悪く、
夜中にも落石の音が遠くに聞こえたりして、
あまり寝つけず。
寝不足のまま夜が明けて、
飯盒に残ったコゲ飯をゆがいて味噌を入れ、
さらに鰹節も投入。
ねこまんまな朝食だったけど、
この時、何故か二回も指を火傷した。
キャンプでは小さな火傷はよくあることだけど、
短時間で二回も、それもアルストで。
・・・どうも落ち着きを失くしてるね。
昨夜の不安感が残ってるのか、
雨が降りそうな空模様で、
撤収を急いでたからか。
九時に撤収完了。
10分も走れば集落があって携帯が繋がって
ホッとしたものでした。
本当ならこの後、トレッキングとか海釣りとか
さらに遊ぶつもりだったのだけど、
どうも平常心を欠いてるようなので中止し、
真っすぐ帰宅しましたよ。
***
嫁さん数日間不在の自宅に帰宅し、
家庭の買い物を済ませ、荷物を片付け、
シュラフを干し、クッカーを洗って、
シャワーを浴びてビールでヒャッハー!
キャンプでのヒャッハーも最高だけど、
嫁さん不在時のキャンプ帰宅後のヒャッハーも
同じぐらい楽しいもんです(^^
で、リビングの安物ソファーでの昼寝が
これまた楽しいのだけど、
ここでイヤな夢をみたのです。
詳しくは覚えてないけど
昨夜のあのテント場で、何かに追いかけられ
逃げ回って追いつめられる夢。
よくあるヤツね。
ガバッと起き上がって、
まるで漫画かドラマみたいに
回りをキョロキョロして「夢か・・・」
想像以上に僕を侵食してたようですよ、
あのテント場。
逃げ回って追いつめられるって、
まさしく昨夜考えてた「行き止まり地形」の
不安そのものだし。
相性が悪いのかもしれないので、
あの湖畔川原に行くのは当分やめときます。
そんな、イマイチ後味の悪いキャンプでした。
でも、それでもやっぱり楽しかったですよ!(^^
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