掖上の道を歩く
長く厳しかった納期との攻防戦。
納期怪獣を討伐の末、待ちに待った自由な週末です!
ヒャッハー!
久々の土日休み!
ホントは土曜の未明出発で土日をフルに
川で!海で!自転車で!パックラフトで!
釣りで!ヒャッハーで!遊び尽くす計画でしたが
長きにわたる睡眠不足&納期プレッシャーからの開放なので
午前2時半のアラームに気づくはずもなく、
(しかも寝たのが午前1時だし)
ようやく目が覚めたのは午前5時。
これでも4時間しか寝てないのでやっぱり起床できず、
いいや、もう計画は全破棄!
今日は爆睡デーじゃ!
惰眠を貪り尽くしてやる!堕落万歳!ビバ堕落!
とか脳内で言い訳してるうちに再び寝てしまい、
途中、朝食を食べた後も再び睡眠。
やっと起床したのはまさかの午後3時でした♪
というわけで翌日は
毎度おなじみの近所ウォーキング。
最近の僕のウォーキングでは定番の町になりつつある
奈良県御所(ごせ)市。
6月初旬頃に御所市秋津洲地区の田植えを眺めながら歩きました。
その田植えの稲が実り、もうすぐ収穫時期を迎えます。
今日は秋津洲の近くの別ルートを歩き
頭を垂れる稲穂を眺めながらウォーキングです!
近鉄御所駅前のコインパークに車を停め、
午前6時半スタートであります。
JR和歌山線の踏切を渡ると寂れたアーケード街。
早朝だからもちろんどこの店もシャッターが下りてるけど
昼間でもかなりのシャッター街で、
かつては映画館やゲームセンターが当たり前にあって
地元の中高生はこのアーケード街で遊んでたそうです。
当時人口37000人程度の小さな市だったのが
その後激減して現在では約23000人程度。
自然と歴史のある非常に魅力的な町だと思うのですが
この御所市に限らず、奈良県は一部のベッドタウン以外では
日本トップクラスの人口減少率の自治体が多く、
特に県南部の紀伊半島ど真ん中の山間部では
人口1000人に満たない300人とか500人程度の自治体がいくつもありまして
仕方ないことだけど寂しい話であります。
ところがアーケード街は寂れてるものの、
アーケード街から少し外れると「御所まち」(ごぜまち)と呼ばれる
古い町屋や建物の並ぶ街並みがあり、
古民家カフェ的な店が増え始めてる昨今です。
僕が憧れていて、
でもまだ一度も飲んだことのない地酒「風の森」、
この酒蔵が御所まちの中にあって
飲みたいけど敢えて取り寄せはせず、
いつかどこかで出会える偶然を待ってるんだけど
オッサンはいい歳なので、
そういつまでも待ってられへんかもしれん。
早朝の御所まちを抜け、葛城川を渡ると
しばらくは県道を東へ向かう。
朝日が眩しい。なのにサングラス忘れた。
6月のウォーキング時にゴールにしたJR玉手駅付近を通過。
稲穂は頭を垂れている。もうそんな季節。
彼岸花は盛りを過ぎ、少々しぼんだり既に枯れ落ちていたり。
そんな田んぼの真ん中の畦道を進んでいたら
だんだん草が深くなっていき、やがて行き止まりになった。
ありゃあ仕方ない、引き返すか。
畦道の行き止まり横に自動車工場?の庭があり、
そこで飼ってると思しき猟犬が血相変えて僕に吠えたてる。
(リードや鎖で繋いでおらず、庭で放し飼い)
そりゃあ今の僕は行き止まりの畦を歩いてる不審者だから
犬が吠えるのは理解できるけど
その猟犬は目ぇひん剥いてヨダレを振り乱しながら
そんなに異常なテンションにならんでもええのに、
と思うぐらい、狂ったように重低音で吠える吠える。
かつて若い頃、山で野犬に襲われて大怪我したことがあるので
野犬の登場には神経質な僕ですが、
なんせ犬と僕の間にはフェンスがあるので余裕こいてます。
でも、あんな荒ぶる猟犬が本気出したら
高さ2m程度のフェンスなんて飛び越えられるのでは!?
と怖いことに気が付いたのでそそくさと畦を引き返し
舗装路を少し歩くとJR掖上(わきがみ)駅。
駅の南側の小高い丘は国見山。
標高229mの低い山だけど初代天皇である神武天皇が
大和の地を平定したあとこの国見山に登り、
ああ、ここは良いとこだなぁ、と
大和平野を見渡したという逸話があるらしい。
神武天皇が大和に都を作った時代って、
杓子定規に数えると今から2700年程前の話になってしまい、
それだと色々と辻褄が合わないらしいので、
おそらく実際は1700年ぐらい前の話?
年代も実在性も諸説ありすぎなので事実は不明だけど
ともかく古代からエラい人が登ってた山らしい。
昨年の今頃に2回、この国見山に登ったので
今日は登らず昨年の写真を置いときますね。
昨年秋、国見山登山口の圀見(くにみ)神社 普段は無人ながら荘厳な雰囲気
昨年秋、国見山山頂
掖上の村内を通り、JRのガード下をくぐると今住地区。
稲穂が黄金っぽい色になりつつある中、
刈り入れを始めてる田が一枚あった。
若い男性3人組で作業している。
今年6月初旬、田植えの時期にこの近くを歩いたときは
家々や田んぼでは慌ただしくも活気が感じられたけど
今日はそういう慌ただしい感じはないから
刈り入れはもう少し先なんだろうかね。
県道に突き当たると左折。
ここらは古墳が点在していて探訪するとキリがないので
ひとつだけ選んで古墳に行ってみた。
「市尾墓山古墳」
古墳と言えばこんもり盛土に林、という印象だけど
この市尾墓山古墳はハゲ山!というかハゲ丘!
歩行ルートから少し逸れて行ってみるも
誰が埋葬されたかよくわからんらしい。
6世紀初頭のこの地の豪族ではないか?とのこと。
ハゲ丘こと市雄墓山古墳
波平の木(!?)
この古墳、ハゲ丘だけど一本だけ木が生えていた。
まるで波平さんのような。
いやいや波平さんの頭はてっぺんは1本だけだけど、
彼の地平線の近くにはある程度の疎林があるよ。
(地平線の使い方がおかしい)
そんなことよりですね、
自分が来年、波平さんと同い年になる事の衝撃たるや。
それを言うなら福山雅治氏が来年には
波平さんと同い年だというその衝撃たるや。
ところで暑いです。
朝晩はすっかり涼しくなったけど
日中の日差しをずっと浴びてると
これがなかなか消耗しまして、
そういえばスタートから約3時間、一度も休憩してなかった。
日陰で休みたいな、と歩いてると道の右側奥に
こんもりした小さな丘。
古墳ではなく神社のようで
日陰を求めて鳥居をくぐり、
緩い階段を登っていくと一人のオジサンが居た。
(僕もオジサンのくせに)
見慣れないオッサンの来訪に驚いてるようで事情を説明し、
木陰で少し休憩させてもらうことにした。
ここは八幡神社という名前らしい。
(地図を見ると近隣に同じ名前の神社が多数ある)
今日はここで神社の祭りがあって、
その準備をしていた地元のおじさん。
すると次々に地元のおじさんおばさんが階段を登ってくる。
みなさん、祭りの準備のために集まったそうです。
顔なじみの地元衆の中に見知らぬオッサンがひとり紛れてるもんだから
もう一度僕の来訪の説明と挨拶をして、しばし皆さんと歓談。
木々に囲まれた静かで小さく古い雰囲気。
周りの家々より一段高い位置にあって
古代からの鎮守の森のような存在なんだろうか。
綺麗に掃き清められた境内。
頻繁に地元の人がここに来ているんだろう。
地元の集会所とか憩いの場みたいになってる神社、
こういうのが最近の僕は好きでして
自分の身の丈に合ってる気がする。
思い返せば若い頃も今回みたいな徒歩旅では
こういった小さな無人の神社でたびたび休憩させてもらったものでした。
神社は多くの場合、水が湧いており、
その水を水筒に汲んで、また旅を続けたものでした。
(飲用に適さない水もあるので現代ではあまりお勧めしないですが)
当時は神社とかに興味が無かったから全然数えてないけど
毎日2~3回は神社で休憩してたように思うので
合計したら全国で何百もの神社にお世話になってたかもしれない。
若かったあの頃は誰の力も借りず、
自分一人だけで長距離の冒険旅をしてる気になってたけど
本当は今回の神社みたいに多くの有形無形の厄介になってたんだろうね。
居心地の良さで、つい長く居座りそうになるけど
祭りの準備の邪魔になるので神社を辞す。
憩いの八幡神社
ここまで来ればゴールの近鉄壺阪山駅まであと少し。
「あと少し」と言ってもまだ2.5kmほどは残ってるけど、
良い気候、良い天気の日にカメラ持って
キョロキョロ、ウロウロしながら歩いてると
あっという間に過ぎてしまう。
高取町役場の前を通って線路を跨ぐ歩道橋を渡れば
10時20分、壺阪山駅前広場到着。
歩行距離約9km、所要3時間50分ほど。
まっすぐ歩けば2時間程度の距離だから倍ほど道草くってますね。
次の電車まで30分しかないけど
壺阪山駅前の食堂で美味いと評判のにゅうめんを食す。
暖かい出汁が美味い。
にゅうめん美味い
食堂内の張り紙
10時53分発の電車に乗って帰宅です。
あ~今日も楽しかった!
この記事へのコメント
激務お疲れさまでした。
それは疲れますよ。
休める時にゆっくり休んでください。
シャッター街の街は多いですね。
木曽は更に人口減少が深刻です。
歩くといろんな物が見えますね。
良い風景ですね。
確かに波平さんと同じ歳に私も近づいてきました。
言われると衝撃的ですね。
それは疲れますよ。
休める時にゆっくり休んでください。
シャッター街の街は多いですね。
木曽は更に人口減少が深刻です。
歩くといろんな物が見えますね。
良い風景ですね。
確かに波平さんと同じ歳に私も近づいてきました。
言われると衝撃的ですね。
徒歩の旅は八兵衛さんの昔の長い歩く旅も
もちろんいいのだけど、最近の歩く旅も
読んでいて、なんかいいなぁ。
神社で水を水筒に汲んで、また旅を続けたということを思い出すあたり
実際は自分の力でいろんなことを乗り切っていたのだろうけど
神社に、人に、物に何かの形で助けてもらったんだろうなぁと思ったり
そんなことを振り返るのもいいなぁ。
度をしていれば何気ない言葉に傷ついたり
逆にちょっとした親切にじんわりしたり
こんな風に道草してるからこそ、得られたものじゃないかな。
電車や田んぼの写真みながらそんなことを思いました。
「どうか神様 スピードを出しすぎても
おまわりさんにつかまりませんように」
……いや、 スピード出しすぎるなや (~_~メ)
もちろんいいのだけど、最近の歩く旅も
読んでいて、なんかいいなぁ。
神社で水を水筒に汲んで、また旅を続けたということを思い出すあたり
実際は自分の力でいろんなことを乗り切っていたのだろうけど
神社に、人に、物に何かの形で助けてもらったんだろうなぁと思ったり
そんなことを振り返るのもいいなぁ。
度をしていれば何気ない言葉に傷ついたり
逆にちょっとした親切にじんわりしたり
こんな風に道草してるからこそ、得られたものじゃないかな。
電車や田んぼの写真みながらそんなことを思いました。
「どうか神様 スピードを出しすぎても
おまわりさんにつかまりませんように」
……いや、 スピード出しすぎるなや (~_~メ)
山猿さん
こんばんは!
いつも早いコメントありがとうございますm(_ _)m
例年は夏は割とヒマなのですが
昨年今年と二年続いて夏が繁忙で、
特に今年はコロナ感染もあって一層ひどいことになりました(泣
木曽の過疎ですか・・・
きっとこれ全国で同じなんでしょうね
まだ僕はほとんど行ったことのない木曽ですが
(噴火前の御嶽山登山と寝覚ノ床に行ったぐらいです)
きっと素晴らしい土地なんでしょう。
木曽も奈良南部も自然豊かで良い場所は
現代的には不便で暮らしにくい、
となってしまうんでしょうか・・・
こんばんは!
いつも早いコメントありがとうございますm(_ _)m
例年は夏は割とヒマなのですが
昨年今年と二年続いて夏が繁忙で、
特に今年はコロナ感染もあって一層ひどいことになりました(泣
木曽の過疎ですか・・・
きっとこれ全国で同じなんでしょうね
まだ僕はほとんど行ったことのない木曽ですが
(噴火前の御嶽山登山と寝覚ノ床に行ったぐらいです)
きっと素晴らしい土地なんでしょう。
木曽も奈良南部も自然豊かで良い場所は
現代的には不便で暮らしにくい、
となってしまうんでしょうか・・・
dekoponさん
こんばんは!
「昔の長い歩く旅」っていうのは『回顧録』で書いたヤツのことですか?
あれもいいけど、最近のもいい?
ありがとー!!^^
恥ずかしながら、
僕はいまだに若い頃の冒険旅行に囚われてます。
あんなの若い時期特有の、視野の狭い時期にしかできない旅で、
もっと楽しくて面白い旅なんて日常の周りにいっぱいあったね、
ってなりたいです。
やっとそれが少しわかってきたかも・・・?といった昨今です。
道草は大事です!
むしろ人生は道草にこそ面白さや価値があるのかも!?
こんばんは!
「昔の長い歩く旅」っていうのは『回顧録』で書いたヤツのことですか?
あれもいいけど、最近のもいい?
ありがとー!!^^
恥ずかしながら、
僕はいまだに若い頃の冒険旅行に囚われてます。
あんなの若い時期特有の、視野の狭い時期にしかできない旅で、
もっと楽しくて面白い旅なんて日常の周りにいっぱいあったね、
ってなりたいです。
やっとそれが少しわかってきたかも・・・?といった昨今です。
道草は大事です!
むしろ人生は道草にこそ面白さや価値があるのかも!?