熊野古道・紀伊路 折りたたみ自転車ツーリングと川原キャンプ(西御坊~岩代)
細々と続けている熊野古道ツーリング。
全線制覇を考えてるわけではありませんが、
今回は「熊野古道・紀伊路」の続きを、
折りたたみ自転車で走ってきました。
今年4月に紀伊路の湯浅~御坊市塩屋地区までを
徒歩+折り畳み自転車をツーリングしたので、
今回はその続きです。
前回の熊野古道・紀伊路はこちら↓
2022/04/14
結局、予定は大幅に変更になったけど、
当初の計画ではこの日のテント泊予定地だった「みなべ海岸」、
ここの砂浜と隣接する漁港などを早朝に下見。
浜はテントを張れそうか、とか
堤防でガッチリ防護されてる砂浜に
徒歩で入れるルートがあるのか、
隣の漁港では魚が釣れそうか等。
みなべ海岸
当初の計画ではこの日の熊野古道のツーリング距離は約27~28km。
前半22kmを自転車、後半のアップダウンの多い区間5~6kmを徒歩、
という計画なので、自転車と徒歩の中継点となる
JR岩代駅付近の岩代漁港に車を駐車し、
電車に折り畳み自転車を持ち込んで、
御坊市のミニ私鉄、紀州鉄道の終点・西御坊駅まで移動です。
JR岩代駅
↑電車にそのまま自転車を載せられます♪
和歌山県南部では「サイクルトレイン」といって
自転車を分解せず、そのまま電車に持ち込めます。
(平日は午前9時以降、土日は終日利用可)
これが本当に助かるんですよ~
これまで電車に載せるたびに「輪行」といって自転車を分解して
シートなどに包まないと電車に載せることができませんでした。
これがめんどくさくてしんどくて、
あと、目的地に到着して自転車を再び組み立てる時に
車輪と変速機、チェーン付近の駆動部がうまく噛み合わないことが多く、
結局、駅前広場で駆動部の調整が必要になり
30分~1時間とかのロスが生まれやすいです。
結果、計画通りに走れないことが度々あったので
今の僕は少々走行能力が劣っても、
折りたたみ時に駆動部を触る必要のない折り畳み自転車を選びました。
JRは自転車をそのまま持ち込める区間が設定されたけど、
乗り継いだ紀州鉄道は対象外で、
折りたたんでシートに包んで車内に持ち込みます。
御坊駅で紀州鉄道の運転士に尋ねる。
「自転車持ち込みしていいですよね?」と一応確認すると
「ダメダメ!自転車はアカン!」
と、予想外に強い拒絶口調。
「え?折り畳み自転車でもダメなんですか?」
「折りたたみだろうが自転車はアカン!」
「畳んだり分解してもダメなんですか!?そんな筈ないやろ!?」
と、僕も若干ヒートアップ。
前回ここに来た時だって運転士に確認取って自転車載せてるし。
なんでこっちが敬語で運転士がタメ口やねん、
こっちもタメ口で喋ってやる!と少々荒い口調になる。
すると運転士曰く
「分解して専用シートに自転車を包まなアカン!」
ここでようやく理解した。
自転車の電車内持ち込みは
「分解してシートに包む」というのが大原則です。
だから当然僕も「折りたたみ&シート包」のつもりで話してたのだけど
御坊駅以南のJRは分解せずに自転車を載せられるもんだから
同じ感覚で紀州鉄道にも分解せずに自転車を持ち込む人が多いのかも知れないな。
だから「こいつもか!自転車はアカンで!」と
運転士氏は強く言ったのかもしれん。
で、タープ兼用のシートでくるんだ自転車を僕が持ち込んだもんだから
どうやらここで運転士氏の誤解が解けたようです。
終点の西御坊で下車するとき、
件の運転士氏は丁寧に僕に「ありがとうございました」と言い、
乗車前の荒い口調とは打って変わった丁寧な言い方に驚きつつも
きっと誤解が解けたんだろうと納得。
終点・西御坊駅
鉄道に自転車を持ち込む件について、
かつてはJR各社や私鉄でも対応がマチマチで
勿論「分解+シート包」が原則ですが、
手荷物料金(400円ぐらいだったかな?)が必要な場合が多く、
この手荷物料金は乗車区間が1駅でも100駅でも一律料金の場合もあれば、
「1列車ごとに料金発生」という場合もあって
そうなると乗り換えの度に手荷物料金が必要になるので
各駅停車で遠方に行く場合、
手荷物料金だけで場合によっては2000円も3000円も必要になる。
そもそもサーフボードやスキー板は手荷物料金不要なのに
なんで自転車だけ料金取るんだ、
料金取るなら車内に手荷物置き場を設置しろ、
なんで料金取られたあげく車内に置き場も無く
他の客や乗務員にまで迷惑そうに扱われなきゃならんのだ、等々。
当時は自転車業界と鉄道は仲が悪かった印象でした。
ところが最近では「サイクルトレイン」を導入する地方私鉄も増えてきており、
手荷物料金も不要な場合がほとんどらしいので
僕が自転車から離れていた20年ほどの間に
随分と「鉄道と自転車」が仲良くなってたようです。
・・・余談が長すぎた!
さて、西御坊駅前から午前10時スタート!
前回の終点、塩屋王子までは熊野古道ではないのですが
気が付いた時には塩屋王子を通過していて
いつのまにか熊野古道を走行していたらしい。
久々の自転車にテンション上がっちゃって、
寄り道やよそ見をせず、ペダルを踏むことに集中し過ぎた。
国道をメインに走りつつ、
旧道が現れると古い集落内に入って旧道を走行。
でも旧道といっても快適な舗装路で「古道感」は感じられず、
やはりというか、
所々にある旧所や「〇〇王子」といった古道観光ポイントに気付かなかったり、
気付いても快適走行中にブレーキを掛けるのが億劫で
ほとんどを観光せず通過ばかり。
今回、このルートを徒歩では無く自転車走行にしたのは
全体的にあまり古道感が無さそうで、
かつ快適舗装路ばかりらしいので
自転車での快適ライドを満喫するためでした。
快晴の海沿い国道は交通量が多く、
ドライバーにとっては自転車は迷惑でしょうけど
でも内陸県人にとっては海沿いを走るだけでテンション上がるのです!ひゃっはー
漁港を通りがかるたびにテント張れそうな浜の有無や
車中泊可能な護岸や堤防での釣り状況を偵察。
今日は利用しなくても、
今後、海釣りとかに利用する可能性もあるので
偵察はわりと真剣です。
約2時間走って印南(いなみ)町。
グーグルマップでクチコミ人気の高そうなランチの店を物色。
喫茶店ふうだけど魚が美味いらしい昭和感な店に入店。
客は僕一人。刺身定食1000円也。
う~ん、刺身はそれほどでもないかな?
全体的に量が少ないかな?
でも食後にもらったミカンが感動的に美味く、
「このミカン美味いですね!このへんで取れたミカンですか?」
と聞くと、
レスラーのような大柄のいかつい雰囲気の店員兄さんが
可愛い笑顔になって喜んでくれた。
彼の一見怖そうな雰囲気とカワイイ笑顔のギャップに萌え。
斑鳩王子から海を見下ろす
切目地区の手前で斑鳩王子の前を通りかかった。
今日は一度も古道っぽい所を探訪してないので寄っていく。
奈良県人的には「斑鳩」という名には馴染みがある。
どうやったらこの字で「いかるが」と読めるのかが不思議。
切目地区から熊野古道は山越えルートになる。
山越えといっても峠の標高は90m程度なので
徒歩ならばたいした高さではないけど、
折りたたみ自転車で高低差90mを登るのは非常にキツく、
現代では海沿いの道路があるので、
ここは古道から離れて海沿いを走行。
再び古道と合流すると、まもなく自転車のゴールJR岩代駅に到着。
午後2時。
昼食の30分を除くと3時間半で約22kmの走行。
時速約6.3km。
寄り道だらけだったのでまあこんなもんか。
駅前の自販機で冷たいお茶を飲み、
そこから数百m東の岩代漁港まで走る。
ここで我がハスラーに帰還。
自転車を畳んで車内に放り込み、
代わりに38Lのリュックを下ろす。
さぁて、ここからはキャンプ道具を積んだリュックを背負って徒歩だ!
と、車内でしばらく休憩するも
この日はだんだん風が強くなってきており、
ここ岩代漁港では釣りが出来ないぐらいの強風。
スマホで風予報を見てみると、
この日は午後から強風で深夜まで強風が続くらしい。
砂浜キャンプはペグの効きが緩いから
この強風だとテント泊は危険かも?
そもそもこの風だと釣りも焚火も出来ないから
このあとリュック担いで歩いたとて、
今朝、下見をした「みなべ海岸」でのテント泊は
この強風では止めといた方が良いだろう。
というか、そもそも今夜は海岸野営は無理ではないか?
結局、このあとの徒歩部分は中止、
今回はここ岩代漁港までとしました。
車を発車させ、テン泊か車中泊できそうな漁港を訪ねてみるも
どこも強風でテント泊は無理。
車中泊なら強風でも無問題だけど
焚火や釣りが出来ないと楽しくない。
ってことで風の影響の少ない内陸に向かいます。
高速道路に乗って北上。
前回キャンプに来た有田川沿い。
実は今朝早朝、有田川に来てモクズガニのカゴを仕掛けておいたのです。
予定では明日の帰り道にこの川原に来て
カニカゴを回収して帰宅予定でしたが、
風の影響の無いこの川原でキャンプすることにしよう。
ここはキャンプ場ではないけど堤防に公衆トイレがあるので
とてもキャンプ向きの川原だし、
焚火跡もたくさんあるんで人気の川原なんだろう。
ちょうど地元の鮎釣り老人が居られたので
「ここで一晩キャンプしてもいいですか?」と尋ねる。
「ええよええよ、楽しんでいってや。」
と快く受け入れてもらえた。
あちこち偵察してたらすっかり遅くなり、
川原にテント設営完了し、
黒ラベルでヒャッハーしたのは午後5時半頃。
海岸での強風が嘘のように無風の川原。
コンビニお菓子などつまんで焚火開始。
今夜はもともと海岸でキャンプ予定で、
しかも荷物軽量化のため現地のラーメン屋で夕食を摂る予定でした。
キャンプ場所が変更になったけど、
この川原から歩いて行ける所にもラーメン屋があるので
やっぱり夕食は外食で済まそうと、
貴重品カバンを持って真っ暗の川原を歩いて堤防の道路に戻る途中、
川原にもう一つの焚火明かりがあった。
この焚火の主はキャンプ前に堤防で出会ってまして、
新しいキャンプギアを使ってSNSにアップするために
この川原に来た地元の方でした。
ラーメン屋に行く前に、
少し様子窺いに焚火主のもとへ向かう。
話してみると氏は僕と同年代のインスタのインフルエンサーらしく、
僕はインスタをやってないので見れないのですが
企業からキャンプギアの提供を受けてSNSで発信したりもする
相当な人気インスタグラマーさんのようです。
僕も趣味は登山や若い頃の冒険、
さらに釣りやキャンプに自転車ぱっくらカメラ等、
相当多岐に渡って趣味を展開してますが、
彼は僕以上にディープに多岐に活動してるそうで
すっかり彼と話し込んでしまって
ラーメン屋の閉店時刻に間に合わなくなってしまった。
ラーメンは残念だけど楽しい出会いだったから無問題!
結局、テントに戻り
再び焚火を着火。
リュックの雨蓋ポケットに常に忍ばせてる
秘蔵のマルタイ棒ラーメン。
これを代わりに食べます。
夜はすっかり寒い季節になっており、
アルストで作ったマルタイラーメンは汁まで飲みつくして、
夜更けまで薪や炭を燃やし尽くして焚火を楽しみました。
明け方。
3シーズン用のダウンシュラフだと少し寒いくらいで、
薄いフリースを着てもまだ少し寒い。
朝。
まずはカニカゴを確認。
悲しいことに「ボ」でした(泣)全滅!
後で会った地元の鮎オジサン曰く、
僕のキャンプ地から少し上流に川幅全部を塞ぐ
大がかりなカニ罠が設置されていて、
上流から下ってくるカニがそこで一網打尽に獲られるそうで
「だからキミんとこではカニ獲れなかったんちゃう?」
とのことでした。
これがカニ罠らしい。鮎漁の仕掛けだと思ってました!
ぐぬぬ。
一網打尽作戦をやられたら僕のような零細漁者は打つ手なし。
他の支流から下ってくるカニなら、
まだ望みがありそうだし、
次回は支流との合流点直下でカゴを仕掛けてみるか。
昨年の古座川では3回カニ漁をやって
毎回カニが獲れたものだったけど、
有田川は今んとこ厳しいな。
あと、早朝にハヤ釣りをするも
これも全く反応がなく「ボ」
川っぺりでの漁労採集キャンプをやって
完全無欠のボウスは初めてかもです・・・(泣
ちっくしょー!(小梅太夫)
リベンジだ!
とまあ、当初の計画とはすっかり違う結果になってしまった
自転車ツーリング?キャンプでした。
この記事へのコメント
サイクルトレインは便利ですね。
ただ地方の鉄道ならいいですが、
都会は無理でしょうね。
ちゃんと、皆がそれを理解出きれば良いのですが。
ここは良くて、ここはダメと線引き出来たらいいですね。
場所を変えれば風はないのですか??
そのへんの理屈は分かりませんが
焚き火が出来て良かったですね。
ただ地方の鉄道ならいいですが、
都会は無理でしょうね。
ちゃんと、皆がそれを理解出きれば良いのですが。
ここは良くて、ここはダメと線引き出来たらいいですね。
場所を変えれば風はないのですか??
そのへんの理屈は分かりませんが
焚き火が出来て良かったですね。
河原にポツンとソロテント!旅人感が出てますね~ものすごく絵になりますね!アウターフレームのテントがまたイカす!ここ数年シンプルなソロドームテントが欲しいのですがきっと使わないかもと思うとなかなか買えません(笑)
開けた海辺は風が強いんでしょうね、風が強いとキャンプは楽しめませんから雨よりたちが悪い(笑)
3枚目の砂浜の写真がまたカッコE!!
ラーメン屋さんは残念だけど素敵な出会いがまた旅人感ありますね!そういえば河原でのキャンプってしたことありません、なんか憧れます(*^^*)
開けた海辺は風が強いんでしょうね、風が強いとキャンプは楽しめませんから雨よりたちが悪い(笑)
3枚目の砂浜の写真がまたカッコE!!
ラーメン屋さんは残念だけど素敵な出会いがまた旅人感ありますね!そういえば河原でのキャンプってしたことありません、なんか憧れます(*^^*)
無沙汰しておりました。
情緒溢れる素敵な写真を肴に手酌をさせていただきましたよ。
情緒溢れる素敵な写真を肴に手酌をさせていただきましたよ。
ども。
僕も三枚目の砂浜のお写真にはグラッと来ました。カッコイイ。こういう切り取り方は僕にはできないんですよね~
いや~ 旅感がすごい。
こう言う遊びをやりたい。
海は残念でしたが川原はいい雰囲気ですね~
楽しいお話にお腹いっぱいでしょうが
胃袋は満たされないですよね(笑)
快適走行中にブレーキを掛けるのが億劫は、色々な意味で分かりますわ。
僕も三枚目の砂浜のお写真にはグラッと来ました。カッコイイ。こういう切り取り方は僕にはできないんですよね~
いや~ 旅感がすごい。
こう言う遊びをやりたい。
海は残念でしたが川原はいい雰囲気ですね~
楽しいお話にお腹いっぱいでしょうが
胃袋は満たされないですよね(笑)
快適走行中にブレーキを掛けるのが億劫は、色々な意味で分かりますわ。
山猿さん
こんばんは!
サイクルトレイン、全国に広がってますが今は田舎限定です(泣
都会ではムリですね~
今回ネタにした和歌山県も
人口の少ない県中部の御坊駅以南限定ですしね。
理由は僕もわかってないのですが
経験的に海辺で風が強くても
内陸に入ると穏やかなことが多いです。
昼と夜で「海風」「山風」と風向きは変わったりするのはわかるけど
いまだに僕は風を読めません(泣)
こんばんは!
サイクルトレイン、全国に広がってますが今は田舎限定です(泣
都会ではムリですね~
今回ネタにした和歌山県も
人口の少ない県中部の御坊駅以南限定ですしね。
理由は僕もわかってないのですが
経験的に海辺で風が強くても
内陸に入ると穏やかなことが多いです。
昼と夜で「海風」「山風」と風向きは変わったりするのはわかるけど
いまだに僕は風を読めません(泣)
Tomoさん
こんばんは!
川原にポツンとテント。
旅人感出てます!?
僕の帰る所って「旅と釣り」なんですよ。
だから僕にとって最高の誉め言葉です♪(^▽^)
砂浜写真、良かったですか!?
川原キャンプは僕の十八番でっせ!(≧▽≦)
こんばんは!
川原にポツンとテント。
旅人感出てます!?
僕の帰る所って「旅と釣り」なんですよ。
だから僕にとって最高の誉め言葉です♪(^▽^)
砂浜写真、良かったですか!?
川原キャンプは僕の十八番でっせ!(≧▽≦)
SFMさん
こんばんは!
お久しぶりですm(_ _)m
お元気にされて・・・ますよね!?(^^;
写真、情緒あふれてました!?
開高健氏のような豊穣な日本語を操られるSMF氏から
いただけるお褒めの言葉は光栄が身に余ります!!
それを手酌で、だなんて自分で言うのもナンですが憎いね!(≧▽≦)
ホントにありがとうございます”
こんばんは!
お久しぶりですm(_ _)m
お元気にされて・・・ますよね!?(^^;
写真、情緒あふれてました!?
開高健氏のような豊穣な日本語を操られるSMF氏から
いただけるお褒めの言葉は光栄が身に余ります!!
それを手酌で、だなんて自分で言うのもナンですが憎いね!(≧▽≦)
ホントにありがとうございます”
うち。さん
こんばんは!
おや?砂写真良かったですか!?
ありがとうございます。
「旅感」をもしも感じてもらえたなら本望であります!
若い頃に色々やってみたけど、
結局「旅」ってすごいんだな、と実感した次第です
こんばんは!
おや?砂写真良かったですか!?
ありがとうございます。
「旅感」をもしも感じてもらえたなら本望であります!
若い頃に色々やってみたけど、
結局「旅」ってすごいんだな、と実感した次第です